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「ソール形状が特徴的だね」石井良介プロも感心する“打感と抜けの良さ”が魅力!キャロウェイの軟鉄鍛造ツアーアイアン | キャロウェイゴルフ公式サイト

「ソール形状が特徴的だね」石井良介プロも感心する“打感と抜けの良さ”が魅力!キャロウェイの軟鉄鍛造ツアーアイアン

2024.03.19 招待する
日本のプロからのフィードバックをメインに、日本で企画されたのが今回の「X FORGED」と「X FORGED STAR」アイアン。日本人やアジア人のきめ細かな感覚に気を配り、ヘッド各部の形状や打感などディテールにこだわって作られた。2007年に初お目見えして以降5回のモデルチェンジを経て登場した今作は、キャロウェイの本気度がうかがえる本格派のツアーアイアン。その手応えを令和の試打職人・石井良介プロに感じてもらった。

しっかり打ち込める「X FORGED」、シャローに対応できる「X FORGED STAR」

「ヘッドを眺めてまず感じたのはソールが特徴的なこと。一世代前のX FORGEDとX FORGED STARはペタッとした一枚板のようなソールで、面で地面を押さえ込むようなイメージでしたが、今作は地面に対して抜けの良さがあるソール形状になっているように見えます。このモデルはプロが多く使っていますが、プロからリーディングエッジの形状やバンス量に対するリクエストがあって、それを反映させたことがうかがえます」。

「ですから、アベレージゴルファーにとって抜けが良いというよりは、プロにとっての抜けの良さがある。あるいは硬い地面でも跳ね返らないようなソール形状になっています。2機種のソールを比べると、X FORGEDは上級者がしっかりボールに対して打ち込んでいける形状。一方、X FORGED STARはやや幅広で、入射角が若干シャローのプレーヤーでも対応できる作りです」。

「フェースの面取りもだいぶ変わりましたね。キャロウェイのアイアンは、昔ながらのビッグバーサを軟鉄にしたイメージで丸みがありましたが、今作ではそれが見事に払拭されて思いきりシャープになりました。いたずらにテクノロジーを持ち込むことなく、ソールの形状やヘッドのシェービングで勝負に出た感じ。リーディングエッジの落とし方で地面に刺さらないようになっているし、ソールもトゥ側のバンスにややボリュームを持たせて高低をつけるなど、削り方一つにも意図を感じます。その意味ではプロファイル自体が変わっていて、一層磨きのかかったツアーアイアンになったといえるでしょう」

「薄いトップラインとストレートネックのX FORGEDについては、過去のモデルがそうであった以上にプロ仕様の雰囲気を醸しています。本格派であることはX FORGED STARも同様ですが、こちらはトップラインがやや厚めで若干グースも入っているので、ボールをつかまえてくれる感じがします。それでも一世代前と比べるとかなりシャープになり、スッキリして硬派な印象になりました」。

ツアープロからのフィードバックに加え、人気の高いアイアンも研究してヘッドをデザインしたというこのモデル。ディテールには徹底的にこだわった。石井プロも口にする「抜けの良さ」は「JAWS RAW」ウェッジや「JAWS FORGED」ウェッジに施したリーディングエッジの面取りを採用。その結果、やさしく作ったわけではないX FORGEDアイアンにも関わらず、使ったプロから「抜けが良くてやさしい」という感想を得ることに。こだわった面取りは、開発者も想定外のプラス効果をもたらしている様子だ。

X FORGED STARには飛ばせるポテンシャルが満載

「打ってみると、打感は両モデルともに軟鉄一枚ものの心地良さ。軟らかすぎず、かといって硬くもない感触がいかにも軟鉄で、プロや上級者にこの感触を求めるゴルファーは多いと思います。X FORGED STARは“カチッ”という、やや高めの打音が特徴といえば特徴ですが、それは前のモデルも同じだったので、これまで愛用してきた方も違和感なく乗り換えられると思います。ヘッドが抜ける感じは予想通りで、X FORGEDはヘッドを上から入れても接地後に上手く抜けてくれます。これに対し、X FORGED STARは上から入れると出球が低く、イメージ通りの高さが出ないのですが、シャロー気味にヘッドを入れてスイープに打つといい球になります」

「7番でアイアンで2つのモデルを比較してみると、X FORGEDのロフトは33度、X FORGED STARは29度です。前者では平均して普段打っているのとほぼ同じ距離(160ヤードくらい)飛んでいましたが、X FORGED STARは飛ぶとプラス20ヤード近く行きます。打球の高さはロフトなり。双方のロフト差は4度ありますが、トラックマンで測定してもその通りのデータが出ました」

「その意味で今作は、2つの違いがハッキリ分かれたと思います。個人的には、打球の高さが出て、ある程度グリーンに止まる性能が欲しいのでX FORGEDを選びます。おそらく男子プロはX FORGED、女子プロの多くはX FORGED STARを選択するでしょう。アマチュアゴルファーの多くはX FORGED STARが適正だと思うので少し詳しく話すと、前のモデルはロフトが立っている割にはそれほど飛ばない印象でしたが、今作は明らかに打球が前に行く感じがあります。とはいえ、パラダイム Ai SMOKE アイアンやAPEXアイアンとは違い、あくまでちょっとスピンが減って前に行く感じ。俗にいう“ぶっ飛びアイアン”とは一線を画しています」

「ただ、ロフトが立っているため、ダウンブローに打つとどうしても打ち出しが低くなります。微妙な違いですが軟鉄鍛造で一枚もののヘッドの重心位置だと球が浮ききらない。でも、飛ばせるポテンシャルはあるので、それをゴルファーなりにどう引き出すかがポイントになりそうです。パワーがあってヘッドスピードが速い人はそのままでイケるかもしれませんが、そうでなければ、例えばアイアン用のカーボンシャフトを入れて打ち出し角を作る、あるいはボールを替えるといった工夫が奏功するかもしれません。ちなみに、キャロウェイの新作ボール「CHROME TOUR」を打ったところ、適正なスピン量を得られました。軟らかい「CHROME SOFT」ならさらに打ち出しを高くできるでしょう」

X FORGED STARのトップブレードを少し厚くしたのは、やさしくしたいからだが、フェース面の輪郭に面取りをして、アドレスした時にヘッドが小さく薄く見えるように作られている。この細かい気配りは、飛ばなくなったからと仕方なく複合素材のヘッドを使っているベテランゴルファーには大いなる福音。軟鉄鍛造への回帰の道を拓くアイアンと言えそうだ。手の内にさえ入れれば、生涯使えるのが正統派軟鉄鍛造アイアン。テクノロジーに傾倒したアイアンがひしめく昨今にあって、バッジが一切ないシンプルな作りは逆に新鮮に映る。

「今回、X FORGEDとX FORGED STARを打って思ったのは、もはやアイアンはロフトでは選べないということ。ロフトと飛距離の相関関係はないとはいえませんが、絶対的なものではありません。インパクトロフトが立ってボールを潰すように打つ人は、ある程度ロフトがないとつらいし、ボールを潰さない人はロフトがなくてもいいわけで、自分の入射角とインパクトロフトを確認した上で選ばないといけないでしょう」

2つのモデルについては、世界のツアーからも高評価が寄せられている。2023年の全米女子プロ勝者、イン・ルオニンはX FORGEDにスイッチ。ローズ・チャンはAPEXアイアンからX FORGED STARに替えた。欧州ツアーでもX FORGED化が着々と進行しているという。日本発のこだわりアイアンは世界にも浸透し始めているようだ。

石井良介プロ
1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。YouTube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。