河本プロは、2日日に通算11アンダーでトップタイとなると、3日目も順位こそ下げたものの通算14アンダーで単独2位。絶好の位置で最終日を迎えました。トップを1打差で追いかける最後の18ホールは、激しく風が吹きつけるコンディションのなか、4、5番でボギーを叩きましたが、6番から12番の7ホールで4つのバーディーを奪って単独トップに浮上。しかし、「プロになって最終日最終組は初めてで、こんなに苦しい戦いとは知らなかった」と振り返るほどのプレッシャーのなか、2位と2打差で迎えた16番で、この日3つ目のボギーを叩き、2位のプレーヤーが同じホールでバーディーとしたため、ともに15アンダーでトップに並びました。
勝負を分けたのは、最終18番パー5でした。河本プロは、決めれば優勝という3.5mほどのパットをきっちりと沈め、バーディーフィニッシュ。ボールがカップインした瞬間、右手を強く握りしめ、大きく空に向かって突き上げました。2位と1打差の通算16アンダーで、プロ入り後7戦目でのスピード勝利でした。なお、最終日翌日の8月29日は、河本結プロの誕生日。すばらしいプレゼントになった1勝でもあります。
河本プロが今大会でバッグに入れていたクラブ14本とボールは、以下のものとなります。
*2022年8月28日時点。セッティングは試合状況によって変更となる場合がございます。
●ROGUE ST ◆◆◆ ドライバー 9度
●EPIC FLASH Sub Zeroフェアウェイウッド 15度
●X FORGED UTアイアン 18度
●APEX TCBアイアン I#3-4
●APEX MBアイアン I#5-9
●JAWS RAWウェッジ 48度、54度
●JAWSウェッジ 60度 *プロトタイプ
●ODYSSEY WHITE HOT OG ROSSIE Sパター
●CHROME SOFT X LSトリプル・トラックボール
河本プロの最大の武器は何を置いても、日本人離れした飛距離です。ドライビングディスタンスは現在、323.75ヤードでツアートップ。今大会最終日でも、土壇場の16、18番で、強いアゲインストの風をものともせず、どちらも300ヤードほど先のフェアウェイを捉えていました。河本プロの高い身体能力とともに、ROGUE STシリーズのドライバーが生み出す驚異のボール初速と強弾道の威力が存分に発揮されたシーンでした。
また、ショートゲームで繊細なコントロールを見せるところも、河本プロの大きな魅力です。パーオンを逃したホールで、パーかそれより良いスコアを獲得する率を表すリカバリー率では、70.492%でツアー4位。これは、アプローチやパットに優れていなければマークできない数値です。愛用しているJAWS RAWウェッジ、ODYSSEY WHITE HOT OG ROSSIE Sパター、CHROME SOFT X LSトリプル・トラックボールの性能が、河本プロのフィーリングとぴったりと合っている証でしょう。なかでも今大会では、先にも書いた最終18番のバーディーパットが見事でした。会場の芥屋ゴルフ倶楽部は、転がりが特徴的な高麗グリーン。そのなかで、20cmほど右に曲がるラインをしっかり読み切り、「すごく緊張して震えていました」という重要な一打を決めてみせました。転がりの良さ、狙ったラインに安定して打ち出せる方向性、バラつきのない品質など、パター、ボールをあらゆる面で信頼しきっているからこそのストロークでした。
今シーズンはこれまで、ABEMAツアーが主戦場でしたが、今回の優勝でレギュラーツアーに参戦しつづけることが可能となり、「これからどんどん試合に出させてもらうので、ぜひ応援をよろしくお願いいたします」と語った河本プロ。勢いに乗って、早々に2勝目、3勝目と挙げていく可能性も充分です。今後も、河本プロのプレーから目が離せません。